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絶対、出産には立ち会った方が良いです

育休21日目。
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(エントリーが翌日になることも重なり、改めてカウントしたらめっちゃズレていたので修正。日数はズレていないと妻にドヤ顔で言い張っていたのでこっそり。。)



今日は「立会い出産をした方が良い」という話をします。


昨日、妻の姉が第二子を無事に出産したとのことで、
妻の実家がある甲府へお祝いに行ってきました。

お昼頃に病院に到着すると、
午前3時に出産を終えた義姉と義兄、甥っ子、義母が揃っていました。

大仕事を終えてホッとしたように見える義姉、
後から聞くとそこから寝ていないそうなので疲れは相当なものだったと思いますが、
談話室で新しい命を囲んで少しの間歓談してきました。

その中で「出産への立会い」の話になりました。

義兄は第一子に引き続き、立会いをしたそうでこちらも疲労の色は隠せない感じ。
会話の中で「前回と比べてこうだったよね〜」とか
「水を持って隣に座っていただけ!」とか、そんな話を聞いていました。

義姉が出産をしたのは、妻が約一年前に娘を出産したのと同じ病院。
その見覚えのある談話室でそんな話を聞いていると、
一年前自分たちのことを思い出していました。



当時、大阪勤務だった僕は甲府へ里帰り出産をしている妻からの連絡を受け、
月末業績がどうなるかという瀬戸際のタイミングでもありましたが
朝から業務を切り上げ甲府へ向かわせていただきました。

妻は入院をしていましたが、そのきっかけは陣痛ではなく破水でした。
つまりまだ生まれてくる準備が整っていない状態。
この場合、陣痛を待ってから、自然に陣痛が来なければ
陣痛を起こす薬を投与していくという流れになります。

妻の場合、自然には陣痛がきそうもなかったので、
陣痛促進剤を投与していくことに。
そんな経過を移動中の特急電車でキャッチしながら向かっていました。
(大阪から甲府までは4時間ちょっとかかります)

その日の夕方頃どんな状況になっているんだろうと思いつつ病院へ着くと、
妻は想像より相当ケロっとした感じの顔で迎えてくれました。
促進剤を投与していたものの、なかなか陣痛が起こらず
翌朝から再度仕切り直していこうと決まった後だったようで、
すでに妻はほとんど陣痛の痛みもない状態でした。

少しの間妻と話し、その日は僕も妻の実家に帰って休養させてもらうことに。

翌朝、陣痛促進剤投与のタイミングから病院へ向かいます。
8時〜9時の間くらいに病院につき、徐々に陣痛の痛みが増していく妻の腰を押したり、
一緒に呼吸を整えたりします。

ちなみに、立会いをするにはどの病院でも「両親学級」という講義への出席が必須。
ここでは出産に伴うリスクの話や、陣痛後どんな風にして赤ちゃんが生まれてくるか、
最中どんな風に呼吸をしたら良いかなどを教えてもらいます。

確かにここで基礎知識をつけておかないと、マジでほんとに何もやれることないです。

ネットでいくらでも情報は出てきますが、呼吸法などは結構病院によって違います。
選んだ病院が推しているやり方を体験しておくことで実戦でも使えるようになります。

夫にできることは、飲み物を渡す、体の押してほしいところを押す、一緒に呼吸法をやる、うちわで扇ぐ、手を握る、とかそのくらいのもんです。
よく「そんなに⁉︎っていうくらい腰を押す」って言われますが、うちもそうでした。

最初は手で押していましたが、こちらが耐えられないくらいの圧を求めるので
テニスボールを使って押していました。
そのポイントも腰のあたりから徐々に下の方に下がっていき、
最後はほとんど「肛門にテニスボールを突っ込もうと奮闘するおじさん」くらいのポジションになります。笑
このあたりまでくると、かなり苦しそうな様子になるので、こちらも全力です。

12時頃、陣痛室から分娩室へと移動することに。
いよいよ「産む」段階へ入ります。

うちの娘が実際産まれてきたのはその「4時間半後」でした。

その間、大抵の人がこれまでの人生で味わったことのない
「無力感」を存分に感じる時間を過ごすことになります。

分娩室に入ってしまうと、態勢も変わるのであまり腰を押したりすることもなくなり、
基本は「声をかける」「汗を拭く」「水を飲ませる」「うちわで扇ぐ」、
この無限ループを4時間半後ずっとすることになります。

その間、目の前には見たことのない表情や叫び声を上げる妻がいます。

後半、「いつまでやれば良いの…」と言ったり、痛みで意識が飛びそうになる妻を見ながら
「もう自然分娩で産むのは無理なんじゃないか」と本気で思いました。
これ以上、精神が持たないんじゃないか、と思いました。

その間もできることは
「声をかける」「汗を拭く」「水を飲ませる」「うちわで扇ぐ」
だけです。
何も代わってあげることはできません。

この感覚(無力感)は恐らく、他では味わうことができないんじゃないかと思います。

永遠に思えるその時が過ぎ、16時半をほんの少し回った頃、
娘は産まれました。
その姿を見て、泣き声を聞いた時、僕は泣きました。
ボロボロではないですが、ジワァっと泣きました。

色んな感情が織り混ざっていたんだと思います。

無事に産まれてきた娘への感動、この大業を成し遂げた妻への尊敬、
命を目の前に感じた感動、苦しみから妻が抜け出したことへの安堵、
そして「無力感」から解放された自分への安堵。








これはほんとに、とんでもない体験ですよ。









お金を払ったって絶対できる体験じゃない。










正直、男性側もめちゃしんどいです。
この無力感と戦うのは。










でも絶対全員、目の前で見た方が良い。












そう思います。











大抵の人の仕事には代わりがいます。
その日にやらなくても絶対何とかなります。
もちろん、一生に一度の勝負をかけているファウンダーだったり、
一部そうじゃないシーンがあることもあるでしょう。
でも大概の人は何とかなります。











でも、あなたの家族にとってあなたの代わりはいない。











僕はこの体験があまりにしんどかったので、
少し前までは第二子ができても、今度は立ち合いはしないでおこうと思っていました。

でも昨日、一年前のあの病院に行って思いが変わりました。
第二子も何があっても立会いをします。



義姉、義兄、本当にお疲れ様でした。